ヤンデレオールスルーメルニキ

ヤンデレオールスルーメルニキ

🐪のビブルカードは入手済


待機スレ11概念

ヤンデレ🐊

オールスルー🐪

🐊は出ない

ショコラは出る





薄ぼんやりとしたランプで照らされた時計の時刻はクロの拠点に遊びに来て最後の記憶から5分ほど進んでいて、つまり少なくとも24時間寝た事になる。


寝すぎた。


昨日は仕事で忙しそうなクロに美味しいケーキを渡してお返しにワインを貰ってその後、えーと、あれ? どうしたっけまあとにかく寝すぎだ。周囲は真っ暗だからまだ夜中だろうか。

とそんな事を考えながら起きようとしてジャラジャラと喧しく鳴る音に驚く。


「なにこれ」


足首からのびる鎖を手に取るとどうやらフッドサイドの脚に繋がれているしかも両足。とりあえず邪魔なので枷と鎖の接続部分を壊して机の上の荷物を


「ない」


クロがしまっちゃったかな、と周囲を探そうとしてやっと部屋自体が変わっていることに気づいた寝ている間に運ばれたのか。窓が無いから暗いし外に出てから考える事にして知らないうちに寝間着姿になっていたのでクローゼットから服を見つけて着替えてから扉を開けようとしたが建付けが悪いらしく何度ノブを回しても開かない。

押しても引いてもワノ国の障子みたいに横にスライドさせようとしても動かない。だめだ。ここがどこか分からない以上壁を壊すのは危険だ。

ということで心中謝罪をしてから破壊する。金庫にでも使われそうな分厚い扉は海楼石が混じっていたみたいだインペルダウンみたいでちょっと懐かしい。

わざわざこんな部屋に運ばなくても危険はないと思うがきっとクロなりの考えがあるのだろう。壊れていたとはいえ修理代を出さないとまた雷を落とされてしまうし黙って出かけるのはちょっと気が引ける。

階段を上って廊下の先の扉はクロの自室で荷物もちゃんと置いてあった。


「前はこんな扉無かったのにな」


と言ってもここに来るのは5年ぶりだけれども。

丁寧に布に包まれた愛鋏のカロリナを見つけ出して、首の違和感に触れてみるとどうやら首輪の様だった嫌だな昔の格好思い出してちょっとヘコむんだけどこれやめて本当にやめて。

後ろの位置に錠が有るので鍵がないといけないみたいだ。仕方なく革を引き千切り外しておく鰐革の混合鞣しで質も良いしもったいないけどちょっと過去をつつかれる気分は勘弁して欲しいものだ。

折角久しぶりに寄ったのにクロの物を散々壊してしまった事態にしょんぼりしながら手帳を捲って予定を確認しようとして、指を手帳のノド部分に滑らせた。

パッと見では判別できないがページが切り取られている。はてここには誰がいたか前後の内容からしてある程度昔からのお得意先のはずだがこう消されると思い出せなくなる男だったか女だったか……とりあえずクロに後で聞こう。人の手帳勝手に破く悪戯も注意しなくちゃ。


「ショコラ!」


何時もの様に窓から彼女を呼ぶと暫くして来てくれるが少し様子がおかしい。


「おはようショコラ今日って何日?」

「ブエ……」

「良かった。打ち合わせには間に合いそうかな」


外は明るくてとっくに朝だ。潮の香りが窓から部屋に流れ込むのを感じながら窓から出ようとして


「クロ待った方が良いかな」

「ブエェ」

「待たないほうが良い…もしかして何かあった?」


彼女が喋ったことを簡単にまとめるとなんだかクロの様子がちょっとおかしいので会わないで出ていった方が良い、らしい……凄く怖い……らしい。


「ひょっとしてワイン飲んだ後なにかしちゃったのかな。記憶にないけど。え、待って私酔っ払ったってこと?! わ、酔うってこんな感覚なんだ凄い! でも頭痛くないから二日酔いはしてないや残念」


不安そうにするショコラに急かされて手帳を1枚破り

『仕事で出かける 壊してごめんね』

と走り書きしたメモを置き、窓から彼女に飛び乗ると全速力で海に向かう。

幸い今日は打ち合わせだけなので早く終わらせてお詫びにお土産買ってクロに謝りに帰ろう。



トマトチーズケーキとか……うん。やっぱりワニ肉が良いかな。義務は今度で。



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